呉エイジ 秘密の探偵小説読書日記

日記と探偵小説の読書録

平林初之輔

論創ミステリ叢書「平林初之輔探偵小説選1」総評

ジムでいつまでも太っちょな女の子がいる。結構動いていて、汗もかいているのだが、通っている期間の割には体型に変化がない。 きっと夜中に間食をしているのだろう。ポテチとかチョコとか。 せっかくジムでカロリーを消費しても、ポテチ一袋を一人で食べた…

平林初之輔「或る探訪記者の話」を読む。

明日から嫁さんは、ママ友と北海道へ二泊三日の旅行に行くのである。 「食費、アンタになんぼ置いていったらいい?」 と嫁さんは凄みを利かせて聞いてくる。自分の旅行で家計が赤字になったから、その他の経費を浮かせたいのだ。 「まず、明日の昼は手作り弁…

平林初之輔「華やかな罪過」を読む

「おんどれは何回おんなじ事をしたら気が済むんじゃ!」 と唐突に電話口で怒られたのである。 こっちは仕事中だ。慌てて人気のない場所へ移動する。 何も嫁さんを怒らせるような事はしていないはずだし、ここ最近は慎ましい暮らしをしている。 「40型4Kハイ…

平林初之輔「オパール色の手紙」を読む

この前、相棒の金平と神戸は三ノ宮へ出かけた。お目当はレトロゲームショップ、駿河屋さんである。 そこで私の瞳孔を極限までおっぴろげたソフト。バーチャカメラマンシリーズである。 複数の機種で出ているR18ソフトで、店頭で見たのは3DO版。1〜5が3500…

平林初之輔「私はかうして死んだ!」を読む

ツイッターをやっていて「ヨカッタ!」と思うのは、自分のアンテナに引っかからなかった情報を得られること。これに尽きる。 ミステリ本、CD、ゲーム。この中で今回はゲーム本「PCエンジンコンプリートガイド」である。 PCエンジンコンプリートガイド 作者: …

平林初之輔「仮面の男」を読む

関ジャニ∞のメンバーの渋谷すばる(36)さんがジャニーズを退社して海外に渡り、自分の音楽を追求するという。 寝ぼけまなこでパジャマの上から股間を掻きながら、そのめざましニュースを眺める呉エイジ(49)。 ガッデム! めざましうらない最下位。そんな…

平林初之輔「動物園の一夜」を読む。

権力を傘にして人を威圧する。男性が女性に対してセクハラを行う、というニュースをよく目にする。 政治家が女性記者に対して「オッパイ揉ませて」とか平然と言うのだ。 そういう台詞をシラフで言う、ということは、常態化しているのではなかろうか? なんな…

平林初之輔「人造人間」を読む。

子供達が全員出払ったので、夕飯をどうしよう。ということになったのである。 「私と割り勘で焼肉の食べ放題にでも行くか?」 と最近嫁さんは世迷言を平然とのたまうようになってきた。 一度ステーキを割り勘にしたら、以降すべてがこんな調子だ。何故共働き…

平林初之輔「誰が何故彼を殺したか」を読む。

ハガキが来ていたので午前中に愛車の定期点検に行ってこい。と嫁さんに言われたので、眠たい目をこすりながら家を出た。 「混み合っているので夕方までかかります」 と担当に言われたので、私は仕方なくバスで帰ることにした。嫁さんは部屋の大掃除を始めた…

平林初之輔「祭の夜」を読む。

会社の可愛い事務員さんが、黒のストッキングから黒のハイソックスへと切り替わった。 気が付けば年も明けてはや四月。春の訪れを感じる。 嫁さんと同じくらいの年齢であるのに、どうしてあそこまで無駄肉が無いのか。カモシカの足のように美しいふくらはぎ…

平林初之輔「山吹町の殺人」を読む。

午前中に嫁さんが「映画に行きたい」というので付き合ったのだ。 私の映画をチョイスする基準はSF映画か、スカッとするアクション映画なのだが、嫁さんの観たい映画は『感動もの』のジャンルであった。 私は映画館で「わざわざ泣かされるのもなー」と思いつ…

平林初之輔「秘密」を読む。

仕事中に、それもクソ忙しいときに、嫁さんからラインメッセージが来たのである。 急用か? と思い確認だけすると「夕方、お義母さんが急用でラッキーちゃん(愛犬のシーズー)の散歩が行けていません。誰か早く帰れますか?」 という家族に向けての確認事項…

平林初之輔「犠牲者」を読む。

昨日の夜、嫁さんが私の捨てたゴミの中からジュンク堂のレシートを拾い上げて、一万円近く本に使っていることを罵るのである。 「よくもまぁ、本にそれだけ使えるわね」 私は無言でパジャマに着替える。よいではないか。禁煙してその分本に使うことができる…

平林初之輔「頭と足」を読む。

論創ミステリ叢書を現在まで定期購読しており、これを書いている現在、112巻まで刊行されている。 このシリーズが創刊された時は嬉しかった。 「おぉ、遂に私のハートを鷲掴みにするシリーズが始まった」 と小躍りしたものだった。 そして今、本棚からは…

平林初之輔「予審調書」を読む。

稀代の論客、平林初之輔の短編だ。本格を奨励し、変格には手厳しく、その時は「不健全派」と名付けて分類したのだが、レッテルを貼られた方は複雑な心境であったことだろう。 怪奇小説と、谷崎から継承された耽美で猟奇的な世界観を「不健全」と括られるのだ…