呉「国民的アイドルグループやのに、残念やなぁ」
会社の昼休み、事務員さん二人と話題のテレビニュースを見ながら。
可愛い事務員さん「未成年やもんね、お酒飲ませたらアカンわ」
事務員さん「呉さんも女子高生と飲みたい?(笑)」
呉「なんでやねん。年頃の娘おるねん。女子高生なんか、なんとも思わへんわ」
可愛い事務員さん「でも、もし呉さんお酒飲んで、女子高生と二人っきりになったらどうする?」
呉「何もないで。それよりも素人に手を出したらアカンわ。ジャニーズなら高給取りやろ? そういうお店行かんと」
事務員さん「泡のお店とかか?(笑)それセクハラやで」
呉「どないやねん。一言もそんな店のこと言うてないがな。ワシが言うてるのは、お金払って女の子と密着して飲んだらええねん。っちゅう話や。高給貰ってるねんからな、例えばキャバレーとかやな」
事務員二人のハーモニー「キャバレー?!!」
呉「もしくはスナックとかな」
事務員二人のハーモニー「スナック?!!」
可愛い事務員さん「呉さんキャバレーて、まだあるんですか?」
事務員さん「スナックもオヤジ語やなぁ」
呉「じ、じ、じゃあなんて言うんや?」
可愛い事務員さん「バーとか」
事務員さん「クラブ?」
呉「そ、それや、それを今言おうとしてたんや」
可愛い事務員さんの前で醜態を晒す呉エイジ。君に明日はあるのか?
〜つづく〜
※
さて、今宵は「謎の女」を読み終えた。
短い話で、いいところで話が終わっており「え?!」と声が出た。こんな中途半端なところで終わりにして、結末もなにもないじゃないか。
解説を読んで納得。未完の遺稿であった。パリで客死し、死後机から見つかったものらしい。
そして一言「惜しい」本当に惜しいのだ。これまでにない話に余裕のある発端で、とにかく読ませる。未完部分だけでも「これどうなるの?」という興味で充分に引っ張られるのだ。
温泉街で会った妖艶な女性、休暇の新聞記者は、その女性に誘われて、花を見にデートをする。
そこで頼みごとをされるのだが、すっかり魅力の虜になっている記者は、お願い事を断る理由がない。
「あたくしと10日間、夫婦になってくださらない?」
どうです、現代の目から見ても、充分に面白い発端だとは思いませんか?
で、ホテルに二人っきりで宿泊するのだが、向こうがベッドのそばで下着姿になってくつろいでいる様子を、記者は必死に理性で抑えながら新聞を読んでいるのである。
なんというシチュエーション。実に探偵小説的だ。
が、オリジナルはここで終わっているのだ。実に惜しい。偽夫婦にどのような結末を考えていたのか、その渇きを癒す続編がある。
死後、公募で完結編を募集しているのだ。それは鮎川哲也編「怪奇探偵小説集1」に収録されており、読める。
オリジナルとは違う結末だろうが、これはこれで読ませるのだ。他人の筆ながら面白い結末が待っている。
この遺稿を読む限り、もしパリで客死せず探偵小説を書き続けていたとしたら、更なる飛翔があったことだろう。そう思わせるエンターテインメント作品である。