呉エイジ 秘密の探偵小説読書日記

日記と探偵小説の読書録

松本恵子「子供の日記」を読む

 スマホを見て45秒くらい硬直してしまったのだ。先ほどのことである。

 これはタイムリミットのあるネタになるのだが、現時点で某ヤ◯オクで「小倉優香」と検索すると(小倉優香ちゃんは今、私の一番一押しのアイドルなのである)本人のサインが入った生写真が引っかかるのだが、その水着が白で、どう見ても乳首が透けて見えているのだ。

 いやいやいや、人気が徐々に上がっている新進のグラビアアイドルで、そう簡単に見せるものだろうか?

 偽物? 最近はフォトショップなどを使って、簡単に他の画像を合成できる。

 しかしそうなるとマジックで書かれた本人の直筆サインはどうなるのか? というとこれは本物になるのであろうか?

 どうやら「EX大衆」の読者プレゼントのようである。

 私はグーグルで「小倉優香 EX大衆」で検索した。「元画像」がヒットする、と踏んだのだ。元画像はしっかりとした厚手の白水着で「なーんだ、合成か」みたいなことだろう、とiPhoneで丹念に探したのだが、同じ画像が見つからない。

 となるとこれはもしかしたら「若気の至り」パターンで、思い切って「水着の透け◯首」で注目を浴びよう、と頑張ってみたのだが、ブレイクするのが本人の予想よりも早く、雑誌の表紙をバンバン飾るようになってしまった。「やるんじゃなかったなー」の「黒歴史」パターンのやつか?

 私は「乳札」もとい「入札」ボタンを何度も押しそうになった。

 落ち着け、偽物かもしれない。偽物にそこまで投資したら、いい笑いもの、末代までの恥だ。確証が欲しい。

 私は脳内クロックをオーバーブーストさせて、検索ワードを更に吟味した。

「小倉優香 EX大衆 透け◯首」

 で再検索してみた。しかし同じアングルの画像はヒットしないのだ。

 そこでネットの知恵を借りることにした。しかし「ツイッター」では恥ずかしい。

 なので、ここでひっそりと「教えて偉い人!」と叫び、コメント欄に助言を頂けたら、と考えたのである。本物なのか、巧妙な偽物なのか。

 悶々としたまま、とりあえず私は件のオークション品の画像を、スクリーンショットとして本体内に納めるのであった。

 さて、今回は「子供の日記」を読み終えた。

 内容に踏み込んでいるので、未読の方はご注意を。

 タイトルの通り、子供の書いた日記で物語は進んでいく。犯罪+日記だ。子供の無邪気なあどけない視点で日記は綴られる。

 こういう形のものは子供のたどたどしい記述に犯行のヒントが埋め込まれており、事件解決のヒントは、よく日記を読めば分かる、みたいな形式になるのだが、この作品はそこまでの飛翔を見せてはいない。

 しかし子供の日記は、よく練られており「おばさんは株で儲けたのよ」「野菜屋さんだったの?(株をカブと思っている)」みたいなテンポで進む。

 結局、子供の母親が死んでしまうのだが、犯行は祖母が子供の叔母を毒殺しようと、割り箸袋に赤い印を入れ、それを偶然台所に入った子供が「綺麗な色のお箸をお母さんにしてあげよう」とすり替え(子供は自分のやったことに無自覚)それが毒物の目印になっていた。というもの。

 子供の無邪気さが、母親を殺す結果となり、予想だにしない犯罪の悲劇を生んでしまった、という着眼点は面白い。

「最後にお母さんにいいこと(綺麗なお箸にしてあげた)ができて良かったなぁ」という子供の牧歌的な呟きが、更に悲劇を際立たせている。

 

1951年2月「宝石」

松本恵子探偵小説選 (論創ミステリ叢書)

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