暑い、連日暑い。帰ってきても暑い。なぜなら…。
我がマイホームには一階に台所とリビングと和室、二階に子供部屋三つに私の部屋の軽四部屋あるのだが
私の部屋にだけクーラーが無いのだ!
生暖かいフローリング、モワーッとした室温。
「アンタの部屋にクーラー付けたら、出てこんやろ」
とは嫁の弁である。確かに大正解ではあるのだが。
昼間の猛暑日のおかげで夜になっても熱気がこもったままだ。
そんな過酷な状況の中で、私は汗を流しながら暑さに耐えてブログを更新しているのだ。ハムスター辺りなら痙攣して死んでいる。
会社でもストレス、家でもストレスなので、帰宅前に本屋へ寄って帰りましたよ。
二冊買って帰りました。早坂吝先生はデビュー作「◯◯◯◯◯◯◯◯殺人事件」がブッ飛んだ傑作だったので、新刊はチェックしております。
このデビュー作品は「ミステリを読む動機で『あっ』と言いたいから」という人ならば満足の一冊。こういうアプローチ好きですし、決して一発ネタな作品ではなく、細部まで作り込まれており「ド本格」です。
筒井先生は大昔に「みだれ撃ち涜書ノート」という良著がありまして、紹介が上手いから読みたくなるのですなぁ。
身体から熱が抜けないので水シャワーでも浴びてまいります。クーラー欲しひ。
※
さて、今回は「盗賊の後嗣」 を読んだ。
これはなんと分類したものだろう。盗賊の話に絡めた人情譚、になるか。
若い盗賊が質屋に時計を持ち込む。質屋は時計を一目見て「盗品」だと見抜く。その根拠にはシャーロックホームズばりの説明が加えられる。
翻訳、とはいえ、松本恵子のテイストもかなり入っているのではないだろうか。
物語は、その時計の数奇な運命と、若い盗賊、その親の大盗賊、質屋、この質屋はかつて父親とタッグを組んでいた。
質屋は若い盗賊の将来を考え、手を差し伸べる。
最後、親の縁を切り家を出た若い盗賊。大盗賊は質屋に愚痴る。倅が真人間になる愚かさのことを。
「逆だろ」
と読みながら突っ込みたくなるユーモア作品。
1923年(大正12年)7月「秘密探偵雑誌」