♫母上さまぁ〜、お元気でぇーすぅーかぁー♫
アニメ作品「一休さん」のエンディングテーマである。
子供の頃、よく観たものだった。一休さんはお母さんと離れ、そしてこれまた一休のお母さんが綺麗で極上の女なのだが(不謹慎発言)、エンディングテーマでは離れて暮らす母上さまに、手紙形式での愛慕の詞になっている。
涙ぐましいし、健気である。
子供の頃「なぜ母上さまは、こんな賢い一休さんを寺に出したのだろう」
と疑問に思った。小坊主一休、甘えたい盛りであったことだろう。
立派な高僧にするため、という願いもあってのことだろうが、間違って育ってしまった私の脳は別の判断を下す。
それは『愛欲の邪魔になるから』という側面もあったのではないだろうか。
ごめんなさい新右衛門さん。暑さで脳が溶けそうだからです猛省します。
一休み、一休み。
※
さて、今回は「暗夜の格闘」を読み終えた。
少年ものだがこのシリーズ、個人的にツボっている。面白い。おかげで自分で書きたい少年探偵ものの形が頭の中でガッチリ出来上がってしまった。
頭の中だけで終わらせるには惜しい素材である。突然死する前に、書き上げて披露したく思います。
前回、叔父と賭けて「紅色ダイヤ」を勝ち取った塚原俊夫くん。叔父も12の子供によくダイヤなんぞくれてやったもんだ、と思いながら、それでも当時の子供の読者からすれば「すごいなあ」という共感を生むための演出なのだろう。
この話は窃盗団との対決が描かれている。白金を盗まれた町工場の奥さんが塚原俊夫くんの事務所のドアを叩く。
「警察よりも塚原くんに依頼した方が早く解決するから」
とのこと! すごいヒーローっぷりだ。 そして小学生に雇われている用心棒、大野さんへのタメ口も健在。ここも個人的にツボ。
ストーリーは白金をどのようにして隠し、運搬したか、というのがメインの謎としてあり、そこは科学者、小酒井不木、子供にもわかりやすいように、白金の特性を説明して「個体の消失」を演出している。
読みながら科学のお勉強もできるのだ!
1925年(大正14年)3月「子供の科学」