「今日な、ママ友5人とビヤガーデン行くから、会社帰り、アンタ私を駅裏まで迎えにきて。かるーく呑むだけやから」
タイムカードを打ち、ジムに小一時間、呼び出されたら困るから早めに切り上げて、ツタヤへ移動。小倉優香ちゃんの写真集があれば買ってしまえ、と思ったのだが売り切れであった。
ここでも小一時間立ち読みして、次はブックオフへ移動、計三時間。
電話の鳴る素振りすらない!
かるーく呑むだけ、ではなかったのか?
私の貴重な時間は車の中で軟禁状態と化し、呆気なく消え失せてしまった。
読書も出来ない。
そして先ほど、やっと電話が掛かってきて、姫路駅のロータリーへ。
「ぶははー。お待たせお待たせ」
酔っ払って上機嫌である。
「待ったか?」
「(三時間も待ったわ!)」
読書日記もこの送迎で丸つぶれである。
「そうそう、あんたにエエ話があるで」
「なんやねん」
「ママ友計6人でパパさん選挙したんや」
「なんやそれ」
「誰のパパさんとデートしたいか、っていう投票や」
「ほうほう」
「で、あんたがトップやったで」
「な」
「でもきっとな、これはアンタが一票も入らへんやろうから、他の奥さん温情で一票入れたんとちゃうかな」
「実力じゃ! ここから歩いて帰るか?」
「だはは、冗談冗談」
間も無く日付も変わろうというのに、うちの嫁さんはこんな調子で騒がしく帰って来るのです。