ちょっと自分用の作品を思いついてしまった。意気込みは「四大奇書に連なるものを」くらい高まってはいるが、出来上がったら「連なるか!」とセルフツッコミになるかもしれない。
前の日記に書いた「明朗・活発・不謹慎」をテーマにした少年探偵モノ、である。
長らく読書モードであったが、執筆モードになりつつある。
この前書いた「鍵」がいいリハビリになった。あれも原作を読み終えてから「自分ならこう書くのに」と延々と頭の中で繰り返し、そうして数日で一気に書き上げた。
思惑通りに仕上がれば「驚天動地の結末」みたいな帯文句になりそう。
イカンイカン、こういうのは自分を鼓舞するにはいいが、書き上げてから報告するのが格好いいのだ。
Kindleで年内に出せればな、と思っております。
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さて、今回は「頭蓋骨の秘密」を読み終えた。
実は筆者、江戸川乱歩の初期短編を偏愛しているのにもかかわらず「少年探偵団シリーズ」は未読なのであった。
今回この塚原俊夫くんの少年探偵シリーズを読んで、正直カルチャーショックを受けている。児童物の文体がわかりやすく、面白いのだ。
これは合間を縫って「少年探偵団」も読まねば、と思った次第。
そしてこの短編は「変型顔のない遺体」ともいうべき作品で、当時の最先端技術であったろう「復顔術」骨から肉付けして再現する技術、を子供達に紹介する、という啓蒙的な一面も持つ。
掘り出された白骨死体は失踪した二人の子供のどちらなのか。横溝正史が好みそうなトリックだ。
物語は子供相手に本気の二転三転をし、予防線や防波堤も張りまくって、真犯人を覆い隠している。
塚原俊夫くんに証拠である頭蓋骨を一週間も預けたり、再生した復顔術の顔をデパートのショーウィンドウに置かせる指示を大人にしたり、それを新聞に大々的に書け、と指示したり、地球に似たどこか、の異世界ワールドみたいだが目くじらをたてることはない。
面白い小説なのだから。
1925年(大正14年)10月「子供の科学」