ジムへ行ってもまゆゆ似の彼女がいない。
辞めてしまったのであろうか。傷心。
束の間の淡い恋であった。1ミリも進んではいなかったが。
誰も声をかけてくれないから、辞めよう。退会理由はそういう動機だったのだろうか?
入って二ヶ月くらいで辞めてしまうのだから。出会いを求めていたのだろうか。
結婚相手を探していたのかも知れない。
もう会えない。どこに住んでいるのかも分からない。記憶の中だけに残る可愛い女性。
メーテル状態である!
※
さて、今回は「玉振り時計の秘密」を読み終えた。
これは倒叙形式の作品である。刑事コロンボ等でお馴染みの、犯行を先に描き、後から警察なり探偵が、完全犯罪に見えた犯行を、犯人の落ち度を見つけて暴く。というスタイルのものだ。
塚原敏夫くんは、犯人を目の前にして、堂々と尋問します。ひっかけもかましながら、被害者の服の矛盾点を突いていきます。
決め手は時計の針をピストルで撃ち、針を動かし犯行時間を誤魔化す、というもの。
最後の記述がチョット表現が古すぎてイメージできないのだが、要するに、ボンボンと時計が数の通りに鳴るかどうか確かめる、ということだろうか。
子供、というだけで、やっていることは大人の探偵と同じである。今作で益々逞しくなっている。
1927年(昭和2年)7月「少年倶楽部」