読書スピードが追いつきませんよ。
皆さんはどうです? お小遣いから小説を月にどのくらい買われていますか?
私の大好物はタイトルの通り「探偵小説」でして、それも昭和の戦前作品が大好物であります。
しかし、その辺りの復刻ものはニッチな層なので単価が高い。そして最近は盛林堂さんが「私家版」のいいのを出してくる。部数も少なく再販もないので予約はいつも激戦となります。
それらを含めると、小遣いの大半は本に消えていくのです。
「もうどうにでもしてっ!」
と叫びながら、煎餅布団の上で身悶えておるのです。
本日の一冊は芦辺拓先生の最新巻「帝都探偵大戦」です。
歴代の探偵五十人が勢ぞろい。という探偵小説のアベンジャーズ的娯楽大作です。
巻末の「名探偵名鑑」も充実で勉強になります。
法水麟太郎、帆村壮六、獅子内俊次、藤枝真太郎らの共闘など、まるで私のために書かれたような小説ではないですか(極度の妄想癖故御容赦を)。
ピンチになると兄弟が駆けつけるウルトラシリーズや、仮面ライダーの特番で歴代ライダーが応援に駆けつける、みたいなお祭り感覚があります。
これはバカ売れしてほしいなぁ。そしてシリーズ化してアニメ化とかになったら最高だなぁ。
※
さて、今回は「川柳 殺さぬ人殺し」を読み終えた。
といってもごく短いもの。雑誌「探偵趣味」の紙面の都合、用紙事情があったのだろうか。
これはコメントしにくい掌編。なんせ、タイトルが示す通り、川柳「柳多留」という狂句集から人の死なない句をセレクトして一言添える、という体裁のものだからだ。
なので、川柳を解せねば、まるきり的外れな感想と知識の無さを露呈してしまう結果となる。
夢野久作の「猟奇歌」はそういう心得がなくとも楽しめる句であったが、これらはちょっと薄味で微妙である。
テーマに対して強引であるし「うまい!」と声を出すほど上手い句が並んでいるとも思えない。
〜借金の穴へむすめを埋めるなり〜
唯一これは探偵小説っぽくていいかな、とも思うが、オチを句で持っていくのもこれといったものがなかったのか、自虐とも取れるセレクトになっている。
1926年8月「探偵趣味」