本日、リアル世界で私のことを知るお友達夫婦から
「まゆゆ似の人、ヤバイ匂いがプンプンするよ。近付いたらあかんよ」
と忠告されてしまった。耳がモゲそうに痛い。
女性の目から見てヤバイ雰囲気、というのは、私のこれまでの文面を踏まえ「確信」なのであろう。
しかし、男は「具体的にどうヤバイか」が分からないと、誘蛾灯に釣られる蛾のように、きっと吸い寄せられてしまう。
「ほら、言わんこっちゃない」
というのを地で行く生き物なのだ。
43歳まで独身、関わったら一体どうなるのか。関わりを持ったら、私の胸は掻きむしられるほど苦悩するのであろうか。
天然の小悪魔だから? 生きていること事態、男を狂わし惑わす性格だからとか?
「あなた以外の男性と、この前遊んだわ」
「どういうことだ。俺だけでは満足しなかったのか?」
「誰だと思う?」
「どういうことだ」
「あなたのよく知っている人よ」
「待て」
「金平守人よ」
「ノォーッ!」
私はパイプにしがみついて、高所で腕を切り落とされて震えるルークのように叫ぶのだ(友の新刊、好評発売中!)。
「まゆゆ似の彼女、最高だった。この世のものとは思えない快感だった」
相棒の金平は、ほぼ童貞なので私に自慢しまくるのだ。
「や、やめろ、考えたくない。言うな、それ以上言えば」
「言えば?」
「殴る」
「じゃあ試してみろ」
後ろで火山が爆発しながら、あれほど仲の良かった二人が拳で互いを打ち合うのだ。
猛烈な金平のラッシュ。防戦する呉エイジ。
3Pという選択肢は全くないのだ。互いがまゆゆ似の彼女を「独占」したいのだ。
呉エイジは川に浮かぶイカダに飛び乗る。追いかけてイカダに飛び乗る金平。
そこでも激しく打ちあう。
一瞬の隙をついて、呉が岸に飛び移る。
「地の利はこちらにある。もうやめろ」
呉エイジは金平を諭すが、火がついてもう一発したいので金平は聞く耳を持たない。
「俺の力にひざまずけ!」
イカダからジャンプして、宙返りしながら呉の頭上を通過する瞬間、呉の右ストレートが金平のキンタマを直撃する。
痛みでもんどり打ちながらドブ川に落ちる金平。
私は涙と鼻水を一緒に出しながら、主演男優賞の賞レースに出るほどの迫力で叫ぶ。
「実の弟のように思っていた!」
そうして泣きながら、まゆゆ似の女性が一人暮らしをするアパートに向かって車を走らせるのであった。
なんじゃこれ!