呉エイジ 秘密の探偵小説読書日記

日記と探偵小説の読書録

ジムでの失態

 恥を書き記そう。そうでもせねば、心がワサワサして落ち着かないのだ。

 何度かこの日記に書いている、ジムで目の合う『まゆゆ似』の彼女。

 前回がその彼女と話をする、絶好のチャンスだったのを、みすみす逃したチキン野郎ですよ。

 というのもこうだ。前回、彼女はお気に入りのエアロビに一旦スタジオの中に入り、私は筋トレエリアでトレーニングをしていた。

 彼女はそのエアロビがお気に入りで、来るときは毎回必ず入るのはチェックしていた。

 私も入っても良かったのだが、ちょっと気が引けて見送ったのだった。

 人気のインストラクターなので、筋トレエリアはガラガラ。二、三人しかいなかった。

 で、のびのびと筋トレをしていたら、なんと私の向かいに『まゆゆ』似の彼女が!

 筋トレを始めたのだ。なんで??? 君はスタジオの中に入ったじゃない。

 わざわざ出てきたの? エアロビがスタートしてガラス戸が閉まる。

 筋トレエリアはガラガラ。そして彼女は私の前のマシンだから、どうしても目が合う。

 ここからが悪夢なのだ。まず狼狽えた私は、彼女の姿を見た瞬間、なんで? となり、一旦筋トレマシンから立ち上がってしまう。あー、思い出しただけでも情けなくて髪の毛を掻き毟りたくなる!(髪の毛は大事に)(笑)

 これだけでも充分恥ずかしいのに、目が泳いで完全に挙動不審。

 向こうは正面を向いて、うーん。と力を込めて筋トレマシンを動かしている。

 きっと私の顔は真っ赤っかになっていたことだろう。自分でもわかる。

 なんせ筋肉質の男を出待ちして誘う、超肉食系の彼女である。

 理性的な私は瞬時に計算した。

・何故、一旦入ったエアロビスタジオから出てきたのか。

・そして何故たくさんあるマシンの中から私の真正面に陣取るのか。

 異性に対してはマイナス思考の私だが、これは

『話しかけて』

 ということなのではないだろうか?

 しかし私の赤面は限界だった。たまらず席を立ち、裏側のマシンへわざとらしく移動する。

 何故そのとき『こんばんは。お疲れ様』とニコッと微笑みながら挨拶できなかったのか。タイプの女性とお友達になってみたい、と思い続けていたのではないか?

 そして一分後、腰をひねるフリをして後ろを見る。すると彼女は怒った感じで俯いたまま早足で帰って行くところであったのだ。

『今まで男性にこんなにコケにされたことはない』

『ここまでしてやってるのに、これ以上どうしろっていうの?』

 きっと彼女はそう思っていたはずだ。

 男も不甲斐なさが続くと女性も怒りに変わる。

 そして今日、遠くから睨まれた。相当凹んだのだが、何故か、エアロビスタジオでは遠くだったのに、また私の斜め前に移動してきた。

 これが分からない。さっきは怒った風だったが、スタジオに入れば遠くだったのに私の斜め前に移動してきている。

 給水タイムのときは真横になる。そして今日も勇気がなく、挨拶することができなかったのだ。笑ってくれろ。皆の衆。チキン野郎な私の姿を。

 ならゴールはどこなのだ。私はどこにゴールを設定しているのだ。

「こ、こんばんは。実は君とのことブログに書いてて」

「もしかして、姫路のジムで、似たようなこと書いてあるから、あなたが呉エイジさんだったのね?」

 そうして駐車場の端で彼女とディープキス。という感じであろうか?

 彼女の内頬へ舌をねじり込むように打つべし、打つべし、打つべし!

 って、打つべしじゃねーよ!

 一旦落ち着こう。キスは不倫か? って? キスはアメリカとかじゃ挨拶だったんじゃなかろうか?

 いや、妄想が暴走している。暴走もそらするか。彼女の行動が謎だからだ。

 

〜性懲りもなく続くかも〜