呉エイジ 秘密の探偵小説読書日記

日記と探偵小説の読書録

久山秀子「隼のプレゼント」を読む。

 なんか高尚なことを書かねば、とは思っているのだが、タイトルの断り書きにもある通り〜日記と読書感想文〜なブログなので、大したことを書こうと思わず気楽に行くか、と思い直しての今日である。

 ジム関連のことを報告しておこう。ここまで、私は余剰金があれば『本』を買ってきた。ツイッターのフォロワーさんなら『またツタヤ寄ってる』と私の報告を見て思われていることだろう。

 そんな私が、だ。ドラッグストアでこれを買ってきた。

 

 

 お口クチュクチュモンダミン、である。ジムで、今後もし『まゆゆ似』の彼女と挨拶をする機会が来るのであれば、爽やかな息を演出したい、という一心で買ったものだ。

 迷走している49歳である(笑)

 しかし、こんなもの、これまでに買ったことはなかった。使ってみて、結構スースーが長持ちし、ということは息もミントの香りが乗りつづけているのだな、という楽しみがあった。

 そのついでに球ローラーのついた身体に塗るヤツも一緒に買った。

 

 加齢臭は自分では気付かないらしい。耳の裏から分泌されるようだ。

 私は耳の裏に塗りたくった。文庫本一冊買える小遣いを自分に投資した。これまでにないことだ。

 女性を意識すると、金がかかる。

 さて、今回は「隼のプレゼント」を読んだ。

 この作品は冒頭で作者が〜与太の存在をご寛容くださる方々に〜と断り書きを入れている。

 以前、雑誌の対談で甲賀三郎がこぼしていた『物足りなさ』や、シリーズの限界が見える一本だと感じた。

 作者もネタの自信のなさが、冒頭の断り書きとして出てしまったのかもしれない。

 あらすじを書けば、母親を亡くした子供がパチンコ玉で車を狙いガラスを割る。車に復讐したのだ。というのも父親が金持ちに車で轢かれ、身体が不自由になったにも関わらず、端た金同然の示談金で済ませてしまったのだ。

 轢いた時に乗っていた淑女、それは金持ちの洋装の娘なのだが、それをお秀と見間違えたのだ。

 それが導入で事件に関わることになるのだが、お秀一家総動員で仇討ち的な展開になる。

 しかし、だ。主人公がスリなので、やることも自ずと限界が見える。高価な指輪を買わせて、一泡吹かせたのは良かったが、それまでの金持ちの買い物ぶりを見れば、それくらいの損失など痛くもかゆくもないことだろう。

 そして貧乏な被害者親子に見舞金を包み黙って渡しに行くのだが、父親が不自由になり、それくらいの額の見舞金をもらったところで、この一家のこれから待ち受ける暗雲が消え去るわけでもない。

 勧善懲悪、の形式をとってはいるが、スッキリする、とは言い難い、苦しい一本になっている。

 この作品で一番驚くべきことは、最後に書かれた原稿料上げ嘆願、のくだり。そうか、このシリーズはスリのお秀が書いている体裁だったのだ、と改めて気付かされるのだ。

 

 1928年3月「新青年