一月九日に予定している相棒金平との山陰、松江城経由ブックオフ&開放倉庫巡りツアーの準備に余念がない。
ニコンのカメラ、オッケー。
メガネと時計もオッケー。
戦士の銃もオッケー。
で、問題なのは天気だ。9日から寒波到来(笑)楽しみにしまくっていた四国は松山城で、土砂降りに見舞われた、それでも一つの傘に寄り添って山城を登りきった雨男二人組である。
スタッドレスタイヤに一応換装しておこう。
行きたい店リスト。
以上18店舗(笑)なかなかの強行軍である。是非、全部回りたい。金平、御願い、二泊してその後徹夜して締め切り迎えて(笑)
※
さて、今回は「海龍館事件」を読み終えた。
うむ、いいね! 橋本五郎。まず堂々としたタイトルが良い。館ものを思わせる、いかにも探偵小説、なタイトル。松本泰の「清風荘事件」の時のタイトルから受ける期待値を楽に超えて行きましたよ(笑)
ものすごく寂れた街にある海に近い和洋折衷の旅館「海龍館」そこへ二人組の紳士が二組も、シーズンオフの旅館に駆け込んでくる。
「この旅館を売らぬか? 一万でどうだ」
旅館の主人はどう贔屓目の見積もっても八千円が限度だと思っていた。それが思いもよらぬ高値。それを聞いたもう一方は
「向こうが一万なら一万二千出そう」
次第にヒートアップして遂には二万を超える。
そこで主人は食客である若者、当麻君に相談する。当麻君は色々な知識に通じた温和な青年で、宿賃も払わず、子供のいない主人に愛され、家族のような扱いを受けているのであった。
このキャラ設定がとても良い。
博学な当麻君は推理する。以前に街で起こった銀行強盗事件の事を。犯人は捕まったが、肝心の五万円が見つからない。犯人は逮捕直前に海龍館に泊まっている。
五万円をこの旅館に隠したから、そしてその五万円のありかを知っているから二組の客は高額でこの土地と建物を買い取ろうとしているのではないか?
いいね、このシチュエーションもグイグイ引っ張られて非常に上手いし巧み。
本当に五万円が埋まっているのか? 当麻君が一方の紳士と隠れて相談していたのを見てしまった主人は、可愛さ余って憎さ百倍、当麻君にも不信感を抱く。
結局、高額で売り払った主人、それと同時に部屋がもぬけの殻になって消えてしまった当麻君。
えげつない事件は何も起こらない、上質な日常の謎。
続きが気になるでしょう? 気になった方はぜひ本編の方で結末のご確認を。
1928年3月「新青年」