『國美喜書店』さんが週の真ん中でお休みだったため、いきなり出鼻をくじかれた二人。
出雲そばで機嫌が持ち直すも、次の『開放倉庫出雲店』も水曜日が定休日。これには正直参った。旅の下調べは大事である。助手席の金平が私の計画の杜撰さに「ホゲーっ」とした顔をしておるので、置き逃げしてやろうかと思ったくらいである。
その点ブックオフは週の真ん中に休まないから強い。
朝の八時出発でそろそろ二時になろうとしていた。
『出雲渡橋店』が待望の第1軒目となった。なかなか広い店内。
私は文庫のコーナーへ行き角川文庫の結城昌治、日本推理作家協会賞受賞作全集を物色する。
相棒の金平はゲームサントラを物色。集めているらしい。
1軒目は空振りに終わる。
黙々と次の店へ向かう。
2軒目の『ブックオフ出雲店』で山陰一発目のお買い物! これも集めている光文社文庫の『本格推理シリーズ』の一冊が埋まる。これもありそうで今回の旅ではなかなか手こずった。
地元の方なら大体のルートはお分かりだろう。宍道湖を左手に見ながら次の店へ。
「く、呉、あれを見ろっ!」
「なんだ! あれは?!」
某進撃の○人のような、要塞風のラブホテ……、もといビジネスホテルである。
「金平、今回宿泊はあそこでも良かったな、ネタ的に」
「あぁ、美味しかったな、あそこなら。最近ワシら牙抜けてるな」
数年前の旅行から『せめてご当地の美味しいものを食おう』『車中泊はやめよう』『なるべくホテルに泊まろう』と決めて、ストイックな中古屋ひたすら巡りツアーに変化が生じた。それでも出雲に旅行に行けば必ず行くであろう出雲大社はすっ飛ばしている。観光名所も『城』以外飛ばすのだ。
『出雲大社を最初にすっ飛ばしたから、定休日の災難に見舞われているのだろうか』
この後二人は、出雲大社すっ飛ばしの罰当たりの恐ろしさに、金タマが縮み上がることになろうとは考えてもみなかったのである。
結局、出雲では老舗の古本屋と開放倉庫が空振りに終わったので、予定を早めて宿泊予定の松江へ移動。
ハードオフもお宝が眠っているから、二人の旅では飛ばすことなくルートに組み込むのだった。
私はレーザーディスクが現役である。レーザーディスクも収集対象で、エロレーザーディスクのコンプをリアル店舗で達成、という無茶な縛りを己に課している。
『ファック トゥ ザ ティーチャー』の2を持っていて、1を探す、という天竺級の無茶な旅である。三蔵並みに禿げ上がりそうな過酷な試練だ。
タイトルはモロ有名映画のパロディで、女優さんも古き良き80年代の女性、太い眉、赤いルージュ、肩パット、ジュリアナ服、という一部の好事家にはたまらないでお馴染みの、まぁ興味ある方はググってみてください。
レーザーディスクやレコードを売っている店は、その街に中古レコードショップがなければハードオフに頼るしかない。
私はアナログレコードも現役なので、いいのがあればついでに買うのだ。
棚を物色中、お宝が!
「見ろ、金平、当時物や!」
「なんじゃ、この価格!」
ロボコンシリーズの超合金がプレミア価格になっていた。二人の旅費の合計を軽々と飛び越えていく額である(笑)
店舗を出るとブックオフが近くに見えた。
この店も集めているタイトルは手に入らなかった。
朝の8時から姫路を出発してまだ数件、日が暮れかけてきた。
いろんな土地のブックオフ縦断ツアーを実施してきたが、移動と店内物色は時間がかかる。5軒、6軒くらいが一日の限界である。
飲まず食わずでここまで店巡り。
まだお話は続きます。