9日の朝からスタートした旅も、楽しい時間はあっという間。下準備で調べておいた店を時間切れで寄らぬまま帰った、という事態が一番辛いので、休憩を挟まずバンバン店舗を巡る。
街の小さな古本屋さん。ここではミステリ本に出会えなかった。昔ながらの古本屋さん、頑張って!
移動中に現存12天守、松江城の勇姿が! 待ってろよ、明日行くからな。
次のブックオフへ移動。営業時間中は全て探索時間に充てるのだ。ここでも出会いがあった。
山陰に来て初めての日本推理作家協会賞受賞作全集に出会えた。そして本格推理シリーズも欠けが埋まる。
金田一耕助の新冒険はハードカバーを持っていたのでスルーしていたのだが、目に入った記念でついでに購入。
この受賞作全集、こいつにもなかなか出会えない。昨年から発作的に集めだしたのだが、リアル店舗でも一店に2、3冊の割合でしか出会えない。
そしてよく見れば51巻は『上巻』!!。松江の人、売るときは上下巻同時に売ってくださいよ!(泣)蛇の生殺しですやん。それとも手持ちのお金では上巻だけしか買うことができなかった、我が家のように財布をガッチガチに握られている同じ境遇の方でしょうか?(もらい泣き)
ホクホク顔で移動、山陰は姫路と比べてやはり寒い。夕方の風が冷たい。
我らのオアシス『開放倉庫』である。そして地元の店舗とは一部、決定的に違うことに気付いてしまった。
お分りいただけただろうか?(心霊番組風に)写真の右側に写っているものを。
土地柄なのか、中古のトラクターが売っているのだ。なんでも売っている、とはいえ、この系列の店舗でトラクターを売っているのは初めてみた。それも多くが真紅のトラクターである。ちょっと尋常ではない台数だ。
入り口から圧倒される。小林旭も裸足で逃げ出すことであろう(何人が分かるというのか!)。
開放倉庫もスタート時、10年くらい前になるだろうか、広島、山口を巡った時には、結構安価にレトロゲームが大量に展示されていたのが、ここ五年くらいでそれだけでは維持できないのであろう。金プラ、古着、中古ブランド物などで雰囲気が大きく変わってしまった。
この松江ではかろうじて昔ながらの品揃えで、我々の飢えを癒してくれる店舗であった。
サターンも我々には現役のハードである。特に私はセガサターンの『プラドル』シリーズを10年間、リアル店舗で買い集め続け、リーチまで来ている状態である。
まー、ありませんから。誇張なく見つかりませんから。貴方がサターンコンプリートを発作的に思い立ったとしたら、必ず鬼門となり貴方の前に立ちふさがるであろう、難関・難問のシリーズである。
いい加減私もリアル店舗で出会うことを諦め、最後の一枚を通販で揃えてもいいんですけどね。でもまぁもうちょっとだけ旅の楽しみとして残しておくことにします。
定休日の悪夢もあったが、なんとか予定していた出雲、松江の回るべき店舗は制覇することができた。
「流石に腹減ったな。駅前でも出てみるか」
金平と初松江駅をぶらぶらと歩く。
これ、といった飲食店が目に入らない。
呉「何食べたい?」
金平「また『せーの』で決める? せーの」
呉「焼肉」金平「ラーメン以外」
呉「割れたなぁ」
金平「焼肉? 勘弁してくれよ(笑)オマエ本当によく食うよなぁ(笑)」
呉「オマエ助手席で車酔い? 胃腸弱すぎなんじゃ!(笑)」
金平「昼に出雲そば食べたやん? だから麺類は外そうや」
呉「それは一理あるな。じゃあ間とってカレーなんかどうや?」
金平「おっ、カレーか。ええな! どう間を取ったのか意味は分からんが」
意見が一致したのでカレー屋さんを検索、壷焼きカレーの店に決めた。
落ち着いた店内、メニューを眺めてセットを決める。サラダも個人店らしく手の込んだサラダ。
金平「辛さは普通、量も普通で」
呉「辛さは普通、量は大盛りで」
金平「ダイエットしてる言うてたのに大盛りかい!」
バイトの大人しそうな学生の女の子の小さな笑いが、鼻から漏れていた。
熱々の小さな鉄鍋に入ったカレーがいい匂いで運ばれてきた。
二人「ンマーイ!」
朝から動きっぱなしの49歳、野郎二人旅。ようやく年齢に見合った旅レポートをお送りすることができた。
物凄いスピードで完食してしまった。美味しいカレー屋さんである。
〜続く〜