プライベートで色々ありすぎて、この津山旅行の記憶も完全に忘却の彼方となってしまったのだが、写真を見ながら必死に思い出して、書き継いで行く次第である。
お騒がせしているジムでの『まゆゆ似』の彼女のことは、あれから怖くて同じ時間帯に入るのを避けています。
正直、私が勇気を持って挨拶をしたら、キラキラした瞳で返事をしてくれるはず、と思っていたのです。
それが相手は視線を宙に彷徨わせてのあの始末。
失意のズンドコで私は辛さを紛らわせるために創作に走りました。現在『The bottom of a pot(鍋の底)』という超面白い短編を書いています。プロレタリア文学です。2019年呉エイジの最新のモードで書いています。
やはり女は失望させる。男は優しい。金平に走ろう。金平は嫌な顔をせず遊んでくれる。
いや、アイツ、城巡りの時、そういえば嫌な顔してたな!
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津山城の近くには古い建物、昭和初期の建築だろうか? が続いていた。
城へ向かうまでに、剥製の博物館があり我々の興味を激しくそそる。
呉「どうする? 入るか?」
金平「ブログのネタ的には美味しいけどな。写真撮影自由だし。でも、今回は消えゆく古本屋の旅やろ? 博物館に城に、お前のペースのオンパレードやんけ!」
呉「わかった、わかった。城はパッと回ろう。な」
金平「オマエはヘルニア持ちのワシに、あのような苦行を与えるのか?」
呉「たいしたことないって(笑)適度な運動は腰のためにもええんやで。さぁ、行こうや」
石垣を何段にも組み上げた陸の要塞である。その高さに圧倒される。
近年、古写真と古絵図に基づいて、備中櫓が復元された。下から見ると小ぶりだが、中に入ると相当広い。そして当時の様式のまま、畳敷きの珍しい櫓である。
入り口で女性が番をしていた。私は旅先での会話は大好きなので、ぐいぐい話しかける。同年代くらいな番の女性も、知的で親切に応じてくれた。
呉「このお城が残っていたら、姫路城を凌ぐ規模ですね。姫路から来たんですけど」
女性「あら、そうですか」
呉「備中櫓は忠実に再現されていて、この調子で天守も復元してほしいものですね。古写真も色んな角度から数枚あることですし」
女性「そうなんですよ。それにこのお城には指図、図面も残っておりますから」
呉「古写真と指図? それじゃあいつでも復元オッケーじゃないですか! きっと観光客が増えますよ。お金の問題だけですか?」
女性は苦笑いをしている。
女性「青年会は復元に向けて色々動いているようですけどもね」
この備中櫓のレベルで指図に従って復元されれば、史実を無視した観光天守ではなく、当時を再現でき町興しに必ずや繋がるはずである。
立派な天守台が残っている。その全盛期の姿に想いを馳せる。
津山市、頑張ってください。古写真、指図の残る、稀有な城です。いつかこの天守台に古写真のままの天守が再建されることを夢見ながら。
私はキーホルダー、クリアケース、ガイド本を購入し城を後にした。
呉「結構歩いたな。腹も減ってきた。あのノボリを見てみぃ、津山名物『ホルモンうどん』ってあるぞ。どないや」
金平「ワシ、ホルモン駄目でな。あれ油の塊やん? お腹壊すねん」
ヘルニア持ちの漫画家、油を食べただけで下すお腹。なんという弱い友であろう。ジムとは無縁のヒョロヒョロした身体で、古き友は城の石段をゆっくりと降りるのであった。
〜続く〜