呉エイジ 秘密の探偵小説読書日記

日記と探偵小説の読書録

津山旅行6

 本日、会社が早めに終わり、ジムの用意をカバンに詰めていたのに、バックシートに眠らせたままの家路。

 行こうか、行くまいか、悩みに悩んで、結局アクセルを踏み込んでジムを通り過ぎてしまった。

まゆゆ』似の彼女に勇気を振り絞って挨拶をしたにも関わらず、絶句され視線は宙を舞い、ほとんど会話にならなかったからである。

 頭の中でシュミレートしてみる。ジムに入る、目の前にベンチが数台置いてあり、簡易休憩所になっている。

 そこに腰掛けて、Apple WatchiPhoneBluetoothヘッドフォンのセッティングをするのが常なのだ。

 まゆゆ似の彼女は噂では40歳、見た目、どう見たって30歳にしか見えないのだが。

 そのまゆゆ似の彼女がジムで時折話す、おそらく同年代であろうオバハン連中。何で可愛い人の取り巻きは、怪獣みたいな人が多いのであろうか。

「ちょっとあなた、いい?」

 ピグモンが私に話しかけてくる。

 オバハン連中の向こうには、まゆゆ似の彼女が泣きそうな顔をして俯いて座っている。

「あなた、彼女に話しかけたみたいね」

 ペスターも割り込んできた。

「一体どういうつもりなのよ、あなたジムにナンパ目的で来てるの?」

 ザラブ星人は怒りもあらわである。

「通路で鉢合わせしたから挨拶したまでですよ。っていうか私の挨拶にあんた達関係ないでしょ?」

 私も必死になって応戦する。

「怖がって傷ついてるのよ、彼女。どうしてくれるのよ。ストーカーみたいなオッさんにまとわりつかれたら、私たちだって泣くわよ」

 ガマクジラが平然と言う。

「あなたが怖くてジム辞める、まで言ったのよ彼女」

 ピグモンの唇は厚い。

「あの子に謝りなさいよ!」

 ペスターは小顔だが、作りが残念。

「なんで謝らなくちゃいけないんだ。綺麗な女性と鉢合わせしたら、挨拶するのが礼儀だろ?」

「きしょい、このオッサン超きしょい」

 ガマクジラの舌が飛び出す。

「オッサン、あの子と対等に話できるつもりに思ってたみたい。あの子超モテるのよ。アンタなんかお呼びじゃないわ」

 ザラブ星人の目は小さい。

 と、こんな風に集中砲火を浴びたら、二度と立ち直れないから、自然とジムに向かう足が遠のいてしまうのだ。

 もう何日か、事態が沈静化するのを待とう。オバハン連中なら囲まれても怖くはないが、もし彼女の親衛隊に絡まれたりしたら、格好が悪い。

 ※

 津山を抜け、岡山のパラダイス、万歩書店本店に夕方無事に到着した私と相棒の金平なのであった(ここまで書いて睡魔が)(笑)。

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〜続く〜