呉エイジ 秘密の探偵小説読書日記

日記と探偵小説の読書録

新刊『ぬるぬる棒でかき混ぜて』完成!

『令和』の元号が発表されためでたい日に、新しい作品が完成しましたですよ。

 題して『ぬるぬる棒でかき混ぜて』であります。

 

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 これは1920年代に流行したプロレタリア文学、いわゆる労働に関する文学で、自分ではジャンルカバーのつもりで挑みました。

 昔の労働環境はそれはもう酷いもんで、人の命なんぞ虫けらのように扱われていたこともしばしば。

 小川未明の『砂糖より甘い煙草』という短編を読み、カルチャーショックを受けました。化学工場に勤める主人公の身体が、薬品に蝕まれ、タバコの味が変わってくる。という内容でした。

 こりゃ命を張ったギャグだな。悲壮感も極まると、滑稽に映る。不謹慎ですが読み進めながらこの作品の構想が固まりました。

 自分の中では正当なプロレタリア文学(爆笑の)カバーです。

 新しいスタイル、新しいモード、意識的に文体を変え、新たな表現方法の一部をつかめた実感があります。

 完成して読み返してみれば、思春期に流行ったニューウェーブ作品、筒井作品的なブラックギャグ、繰り返しギャグなど、多感な頃に吸収したものの再構築だなぁ、と自分の作品を読みながら微笑んでしまいました。

 まだ極めてはおりませんが(このやり方を進化させていこうと思います)、一人でも「これ最高」と言ってもらえれば、自分の中では成功のプロジェクトです。

 そして今回も願わくば、感想の方をアマゾンレビューしていただければ、作者は飛び上がって喜びます。お代は100円! 好評発売中です。どうぞよろしく!