呉エイジ 秘密の探偵小説読書日記

日記と探偵小説の読書録

2019・9 だめなやつら福山旅行2

 我々の旅は事前に調べておいた中古ショップを、制限時間内に全て回る、というとてもストイックな旅であった。

 以前は『酒井法子のファーストを買う』『松本典子のオリジナルアルバムを買う』『セガサターンのプラドルCDをコンプする』という確固たる目的があったが、今はそのどれも達成してしまい、明確な目的は無くなっていた。

『ただそこに店があるから』

 みたいな尾崎豊のような世界観で旅を続けているのであった。

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 13時49分、福山で一発目のお宝倉庫。

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 どこの県のお宝倉庫も、大体こんな感じで、怪しい石像がお出迎えしてくれた。ここもレトロゲームが充実していた。ショーケースの中には、私の財布の中身ではとても対応できないお宝が陳列されており、ただ見て楽しむだけの店内散策である。

 ウインドウショッピングはオバはんだけの楽しみではない。親父二人旅でも十分楽しいのだ。

 この旅費も、相棒金平が表紙絵を描いてくれた電子書籍がバンバン売れてくれたことによる収益金で賄われているので、きゃつには足を向けて眠れない。

 

もしも宝くじが当たったら (呉工房)

もしも宝くじが当たったら (呉工房)

 

 行動は迅速に。ポイントを押さえたら次の店へ。

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 14時28分ハードオフ着。姫路を朝の8時半に出て4軒目。移動中は佐野元春杉真理浜田省吾松田聖子辺りを流しながら、お互いの創作談義に花を咲かせる。

 旅でのこの創作談義が私には非常に重要で、奴に宣言しておくことによって自分に締め切りを課し、これまでにいくつもの作品を形にしてきた。

「それはそうと呉」

「なんや」

「俺の知り合いがオマエのツイッターを見ているんやが、例のジムのまゆゆ似の彼女」

「ほぉ」

呉さん、あれは人としてどうなんですかねって聞かれてな」

「ぐおぁ」

「実際どうなんや、オマエ的には」

「作り手としてよ、嫁さん一筋に尽くしました。他の女性には目もくれませんでした。波風のない幸せな一生を送りました。おしまい。こんな物語、誰も読まんと思うわけよ」

「ほぅほぅ」

「だから俺は物書きの端くれとして、自分の内側から沸き起こる衝動をやな、スポイルせずに昇華させるべきではないか、と」

「ただの女好きやないかい!」

「違うわい!文学衝動じゃい。でもな、足の見える半パンから無駄毛一本もない手入れの行き届いた生足、体にフィットしたピチピチの半袖シャツ、同じ時間、同じ空間で同じ音楽を爆音で聴きながらインストラクターの動きを皆で真似るエアロビの一体感。大人のお遊戯よ。これは好きになってしまうよな」

「オマエ女性のどこ見てるねん」

「ここで降りて歩いて帰りたいんか!」

 誘っておいて無茶苦茶である(笑)

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 険悪なムードを察し、それに『まゆゆ似』の彼女への淡い恋心に対して説教をされたくないので、私は慌ててラーメン屋に車を向けた。

 美味しいものを食べればオッサン二人でも極上の笑顔。ンマーイ!

 腹ごしらえも済まし、太鼓腹を叩きながら店を出る。続いては姫路にはチェーン店のない『ジャンク堂』という店へ。15時23分着。

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 ここは家電、フィギュア、古本、ゲーム、CDを扱う、桃源郷のような店内で、我々の為にあるような店であった。

 熱いまなざしで店内を物色。

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 旧ライダーのフィギュアと、セガサターンのガビガビ実写ムービーが期待できそうな麻雀ソフトを購入。これはおっぱいも期待できそうなジャケットである。

 90年代のアダルト女優ぽい娘たちが並んでいる。子供向けのゲームマシンから表示されるおっぱいというものは、何故あれほどまでにいやらしいのであろうか。当社比で5割り増しくらいいやらしい。

 たとえそれがビットレートの低いガビガビムービーで、乳輪のフチが四角ドットであろうとも。

「我が生涯に一片の悔いなし」

 心の中で拳を天に突き上げながら、娘くらいの歳の可愛い女の子のレジ打ちタイムを、恥ずかしさを我慢しながらひたすら耐えるのであった。

 

〜まだ続きます〜