呉エイジ 秘密の探偵小説読書日記

日記と探偵小説の読書録

彦根旅行4

 こんな感じの旅を十年は続けている。十年続けるとどうなるか。大抵のCDは購入済みになっているのである! そして恐ろしいことに、買ったのに聴いていない。集めることが目的となって、ただ珍しいから、というだけで発作的にレジへ持って行く。

 その時だけ脳内にアドレナリンが充満する。買ったはいいが、いつ聴こう。そんな感じでザイオン(※屋根裏部屋)には大量の本とCDで溢れかえっている。

 

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 これもいつ通しで聴く時間を確保しよう(笑)ちゃんと聴く気があるのか?!

 

行くね

行くね

 

 

呉「ハードオフは狙い目だな。さぁ、次行くか」

 

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 そうしてあっという間に夕方の五時。あけぼの書店は定休日なのであった!(涙)

金平「今回のオマエのプラン、ズタボロやんけ。歴代の旅でも特にひどいな。まぁ多くは言うまい。喧嘩になる。ワシが社長ならオマエ降格やな」

呉「ぐぬぬ

 個人経営の古本屋を楽しみにしていたのだが、今回はのきなみアウト。ブックオフに頼らざるを得ない。

 

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 そうして無理して開放倉庫までルートに組み込んだため、これが大幅な計画の遅れとなった。地図で改めて確認したら、相当遠かった。

 

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 そうしてこの店で手応えが無かったのが痛かった。時計を見ながら、また琵琶湖方面に大慌てで戻る。

 

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 朝からぶっ通しで19時半である。ひたすら店巡りで何も食べていなかった。ペコペコのクタクタで、取り敢えずチェックインをそろそろしておかねばならない。

 今宵の宿は彦根アパホテルさんだ。

 

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アパ「いらっしゃいませ」

呉「ネットで予約していた呉です」

アパ「あ、呉様、本日キャンセルが出ましたので、同じ価格でダブルの部屋をご案内いたします」

呉「ええっ? 追加料金はいいんですか?」

アパ「結構です。またご利用ください」

呉・金平「ありがとうございます!」

 思わぬラッキーに疲れも和らぐ。

呉・金平「ひろーい!

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呉「広い方で二人並んで寝るか、狭い方で二人並んで寝るか……」

金平「別々に寝る選択肢は無いんかい!

呉「どうする? まだブックオフは開いてるぞ。荷物だけ置いてギリギリまで攻めるか? それとも早めに休むか?」

金平「いいや、どのみち素泊まりやろ? 飯も外に出るんや、なら目一杯回っとこ」

 そうして飲まず食わずで再びブックオフへ。

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呉「あら? ナビではまだ営業時間中のはずなんやけど」

金平「もしかしてホームセンターは閉まっててて、二階のブックオフだけやってるパターンとか?」

 

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呉・金平「開いてた!

 

 そうして店内に蛍の光が流れるまで物色。夜の十時である。とても五十歳の旅の内容とは思えない。

呉「ヘトヘトやな」

金平「ヘトヘトや」

呉「前回の福山旅行な、部屋に備え付けのユニットバスに入っただけやったやろ?」

金平「あの旅は疲れたよな」

呉「やっぱ風呂が重要やと思うねん。スーパー銭湯行かへん?」

金平「ええかも。足とかむくんでるもんなぁ」

 旅は宿と風呂だ。宿は広い部屋を確保出来た。あとは風呂で疲れを取れば完璧だ。しかしこの時はまだ、金平に災いが襲いかかってくるなどとは、予想もしていなかったのである。

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呉「おお、帰り道にスーパー銭湯が!」

金平「ええな。ここに行こうや!」

 二人仲良く並んで入店。中は大層な賑わいを見せていた。私が熱い風呂が苦手なので、37度の湯があるのが有難かった。

金平「オマエ、ぬるいの好きか?」

呉「そうやな、熱いの苦手やな」

金平「もうちょっと熱い方が気持ちええど。この隣の炭酸泉入ろうや」

 そうして金平に誘われて炭酸泉へ。しばらくすると身体中に炭酸の泡がまとわりつき、身体がポカポカしてきた。

呉「血流が四倍になるらしいな。こりゃ気持ちええわ」

金平「な、40度くらいでも気持ちええやろ?」

 二人で並んで足を伸ばす。やはり銭湯は正解であった。

呉「せっかくや、露天風呂の向こうにあるサウナ入ろうや」

金平「ワシはサウナは苦手やねん」

呉「まぁそう言わんと。せっかくや、二人で入ろうや」

 そうして無理矢理金平をサウナの中へ引き込む。充満するスチーム。そして煙の奥にはオケが。

呉「なんやこれ?」

金平「塩や、ここ塩サウナやってさ」

 サウナの真ん中にオケがあり、そこに塩が山盛り盛られていた。

呉「えーなになに? 塩を身体に擦り込んでください? デトックス効果が見込めます? やってみっか」

 二人は両手一杯に塩を掬うと、身体中に塗りたくった。

呉「金平、スキンヘッドにも塗り込んでみろや(笑)」

金平「こうか?」

 この悪のりがいけなかった。銭湯から出て、車に乗る。しばらく走ると金平が奇声を発した。

金平「く、呉っ、すまん。車を停めてくれ」

呉「ど、どないしたんや?」

金平「あ、汗が止まらんっ!

 見れば金平の顔は大量の汗にまみれていた。てっぺんから汗が噴き出し、目を開けていられないくらいであった。調子に乗って頭に塩を塗り込んだからだ。

金平「タ、タオルで拭かねば」

 汗にまみれてナメクジのように溶けてなくなるのではないか? というくらいの勢いであった。

金平「オマエが塩を頭に塗れ、いうから大変なことになったやないかい!」

呉「デトックス効きまくってるやないかい。オマエ風呂とかどないなってるねん」

金平「ワシは漫画家やから外出歩かへんやろ。だから風呂は週一回や」

呉「少なっ! オマエ、歩く老廃物やったんかい!

 友は何度もタオルで汗を拭き取っている、が汗はとめどなく流れ落ちた。サウナと炭酸泉のダブルパンチが効いたようだ。私は日頃からジムに通っているから、至って平常運転。クリーンであった。

金平「お、おまえ、こういうこともブログに書くんか?」

呉「当たり前やろう。こういう作ってない出来事がオイシイんや」

金平「ワシのイメージ下がるやんけ。オマエのブログに登場して、ワシなんも得があらへん。それにオイシイってなぁ、ワシ芸人ちゃうわい。漫画家じゃい」

連載島 (ヤングキングコミックス)

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呉「漫画家でも芸人要素あった方がええやろがい!」

 だんだんと声が大きくなり、ヒートアップする二人。イライラは頂点に達しつつあった。

呉「か、金平。ワシら、日付変わりそうやのに、晩飯食うてないやんけ。だからイライラしてるんや。飯行こう」

金平「ホンマや、風呂でリラックスしすぎて晩飯の時間、とうに過ぎてるな」

 そうして空腹から来る怒りを抑え、ホテルまでの道のりで一軒のラーメン屋さんが目に入った。

呉・金平「ここにしよう!」

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呉「金平、メニュー見てみ、こってりラーメンや」

金平「あぁ、ええ匂い。ここ絶対に美味いで。あっ、運ばれてきた」

 

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呉・金平「ンマーイ!

呉「ニンニクが相当ガツンと効いてるわ」

金平「スープ超美味い。完飲できるわ」

 知らずに入店して、実は閉店時間ギリギリだったのに温かく迎えてくれてありがとうございました! 豚人さん! むちゃくちゃ美味しかったです!

 そうして満腹になりアパまでの帰り道に、調べ漏れていた中古ショップを発見し寄り道し。

 

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 激突しても二人は小6からの仲良しさんではないか。ホテルに戻って昼間に買ったレアなショッカーワイングラスで仲直りの乾杯をしたのであった。

 

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 カッコつけてるけど実はファンタだけどね!

 

〜つづきます〜