喪は明けた。今、私の脳内には、チーンチーンと心地よい金属音が鳴り、そのままジョンレノンの『スターティングオーバー』が流れている。
有休を取り、今から山荘へ籠もりに行く。この6月からこっち、私はどのような不幸に見舞われたのか。それを私小説のアプローチで纏めてみたい衝動に駈られたのだ。出来るかどうか分からないが、とりあえず追い詰めてやってみる。
「次は私小説のアプローチで書いてみる」
すると相棒の金平は
「オマエ、充分私小説の資質ちゃうんかい。我が妻とか」
「あれはあったことそのままの日記の延長みたいなもんやないかい」
「あったことを書くのが私小説違うんかい! 自分では気付かんもんかのぅ」
というやり取りを挟みながら、合間に志賀直哉なんぞを読み、私小説の指南本にも目を通し、今日を迎えた。
一泊しかできないのが残念だが、出来れば24時間でおおまかな形にまで仕上げたい。
その様子はまたここで。それでは!