相棒金平の手によるコミカライズ版『新・我が妻との闘争』第二巻の作業が大詰めを迎えている。コミックスの時に選考から漏れた初期エピソード、その復活である。
単行本には『クレーム』『娘よ』『ドキドキプレゼンテーション』の三本が掲載される。販促企画として後書きの先行プレビューを掲載し、盛り上げていこうと思っている。
第一回目『クレーム』はこちらから。第三回目『ドキドキプレゼンテーション』はこちらからどうぞ。
この作品は1999年11月の後半に掲載された。マックOSが9になる直前で、デジカメはまだ200万画素、定価11万円! フロッピーの容量を超えたジップドライブが出た頃であった。
では先行あとがき、どうぞ。
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娘よ
続いては『娘よ』連載は八回目で、マックピープル1999年11月号の後半に掲載された。
この頃のマックピープルは月に二回刊行で、二週間に一回、締め切りがやってきた。
今思い出しても恐ろしいスケジュールである。よく乗り越えられたものだ。
うなされる夜もあった。喧嘩のネタが無いときは平和な証拠であり、喜ばしいことなのだが、それでは連載を落としてしまう。ネタが出来れば締め切りのプレッシャーからは解放されるが、実生活が息苦しい状態となる。
どっちに転んでもアカンやん!
さぁ、掲載誌を読んでみよう。この頃はマックOSが9になる前夜であった。
新製品の紹介欄では、フィルムからデジタルに置き換わる過渡期で、たった200万画素のデジカメが11万円もしていた。
今はスマホで4k動画が無料で撮影でき、若い女の子が尻を振りながらティックトックに動画をアップし、インフルエンサーとなってガバガバ収益化できるのだから、技術革新とは凄まじく生活を変化させる。
そうして本編の『娘よ』であるが、これが編集会議でボツになったのは、作者として猛烈に惜しい。
日記・書簡体形式がネックになったのだろうが、今回の復活を読者の皆さんと喜びを分かち合いたい。
これは発表後、ずいぶんと長い期間、電子メールで読者さんからいじられた回であった。
『マリオのオーバーオールは、まだ着ますか?(笑)』
といった具合で、長く読者さんの記憶に残る、初期の代表エピソードの一つであった。
私の陶酔シーンが、ベルばらみたいな貴族風に茶化されているのが白眉であろう。
便せんで書かれた通り、コマに収められているので、これも金平の技術勝ちな回となった。
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この頃の話題を続ければ、あの頃一緒にマックでときめいてくれた読者さんが帰ってきてくれるのではないか(笑)相棒の販売促進に繋がれば幸いである。