私の家には二階より更に上、折りたたみ階段の先にはザイオンと名付けられた屋根裏部屋がある。
ここは私の私物置き場で、嫁さんが高所恐怖症なのをいいことに、長年買い集めてきたものを収納する格好の場所となっている。
メーカーの標準スペースは四畳であったのだが、ノコギリで勝手に壁をぶちあけてみれば、予想通り高さ1メートル広さ20畳くらいの広大なスペースが奥に。
私はホームセンターで下に敷く木材を買ってきて隙間なく敷き詰め、ラックをひたすら運び込み、本、ゲーム、CDの床に積み上げていたものを、全て運び上げた。
働きアリさんの如く、買って下のラックから溢れれば、ザイオンへ、そんなことを何年間も続けていた。
たまに屋根裏に上がると、買ってすぐにしまい込んだものなど、買ったことを完全に忘れている物も多い。
本日の全くインスタ映えしないシリーズの一枚はこれ。
セガサターンのゲームソフトである。最近サターン環境をザイオン内で構築したので、早速プレイ。
宮崎のシーガイアというレジャースポットで奥菜恵ちゃんとデートする、という内容のゲームであった。
若い頃の奥菜恵ちゃんがひたすら可愛い。バンバン水着姿で登場する。ここだけの話、おぱいも大きい(神よ、娘がこのブログを見つけることがありませんように)。
ゲームといってもコマンド選択式で、話しかけられた会話の返事を三つの中から選ぶのだが、あんまりがっつきすぎると信頼コマンドが減り、謙虚な態度を貫くと奥菜恵ちゃんの安心コマンドが上昇する、という禅僧の苦行のようなゲームであった。
間違っても「会話なんてどうでもいいから水着取って」みたいな返事をすると、速攻ゲームオーバーなのだ(まぁ現実でも速攻人生ゲームオーバーになるが(笑)。
ネットで調べれば、宮崎のシーガイアは閉鎖、奥菜恵も騒動後テレビから消えた。
ここに残っているシーガイアの内部映像は、今ではある意味貴重なものではなかろうか?
いろんな意味で世の無常を感じる一枚。
※
さて、平林初之輔探偵小説選2の半分を占める評論、エッセイを読み終えたのだが、感じたのは、この平林が残した評論群は、戦前の日本探偵小説文壇に、深い爪痕を残している、ということだ。
特に江戸川乱歩への評価が手厳しい。もうちょっと褒めてもいいんじゃないのか? とさえ思う。
そして、新しく出現し、今、まさに戦前の日本で探偵小説がブームになろうとしている中、探偵小説文壇内で、生ぬるい褒め合いは意味がない。と、活発な議論を推奨している。
これらのストイックな姿勢は、大きな影響を与えた事だろう。
そして変格探偵小説(不健全派)に対する牽制。谷崎潤一郎の方法論に警鐘を鳴らし、探偵小説の本来のあり方、芸術たり得るか、という文化的見解、など、後の探偵小説シーンの道しるべさえ示している。
これらを年代的に纏めて読める論創ミステリ叢書の偉業を、当ブログは今後も讃えていきたい。