今年に入って、結構奮発した。二冊も甲賀三郎の古本を買ってしまったのだ。
『羅馬の酒器』と『音と幻想』の二冊。部屋の中で撫で回している。
甲賀三郎の古本は高いので、頻繁に買うことなどできない。小遣いとは別の、印税のお陰ですな。有難い話です。
何度も呟いているが、江戸川乱歩の好敵手、と当時は言われていた甲賀三郎も、終戦直後に亡くなってしまい、現代では戦前の人気作家の面影もない。大半の人は『誰それ?』という感じだろう。
生きている間に完全版全集が出て欲しいものだ。それは日本探偵小説界の良心だと思う。
メモ代わりに、収録作品を書いておこう。
『羅馬の酒器』
・羅馬の酒器
・赤い壜
・殺人と白猫
・富江と三人の男
・森の悲劇
・泥棒と狂人
・開いていた窓
・二度目の冤罪
・果樹園物語
『音と幻想』
・音と幻想
・一本のマッチ
・犯罪の手口
・法を超えるもの
・謎の女
・吹雪の夜
・マネキン綺譚
・頭の問題
・海獅子丸の真珠
・海の掟
・伯父の遺産
・夕日輝く頃
・日本人の死
どうです? どれもそそるタイトルでしょ? いつか甲賀三郎に、大々的なスポットライトの浴びる日が来ることを願って。