呉エイジ 秘密の探偵小説読書日記

日記と探偵小説の読書録

松本恵子「節約狂」を読む

 ショック、というか、非常に衝撃を受けたのであります。

 町内の粗大ゴミですよ。プラスチック製品、やら布製品やら、きっちり仕分け・分別して整理する。

 早朝から皆さん捨てに行きます。

 私も朝の6時頃でしたか、会社に行く前に嫁さんと二人で、バックシートにゴミを積み込み、嫁さんにアゴで指示され、間違えないように捨てましたよ。

 そこで先に来ていた綺麗な奥さんが色付きの瓶と、透明の瓶を仕分けしながら捨てておったのです。

「色白で切れ長の目で和風美人だなぁ」

 と、コンマ5秒くらい見とれておったのです。

 向こうは早朝なので、短めのジーパンにラフなTシャツですよ。眠いのか、捨てることに意識が持って行かれてるのか、横で捨てていた私は我が目を疑いましたよ。

 少し液体が残っていた瓶を持ち、手を水平にして奥様は降っておったのです。私は1秒だけ流し目で通過しました。

 するとそこにはシャツの袖の奥の脇にワッサーと!

 私は動悸が上がり、耳がジンジンと熱くなってきました。

「なんでこの奥さんはワッサーなのか。旦那さんの趣味なのか、いや、もうそういうのは卒業夫婦なのか」

 私はギャップにやられました。こんな和風美人な奥さんの脇は、ツルツルであって欲しかったのです。

 改めて奥様の顔を見ました。鼻筋も通って美形です。

 私は逆に一周回って、妙な興奮を覚えてしまいました。それはそれで「アリ」か、と。

「早起きは三文の徳」というお話でした。

 さて、今回は「節約狂」を読み終えた。

 この論創ミステリ叢書「松本恵子」集の「創作編」は読み終えたので「翻訳」のパートは飛ばして次巻の「小酒井不木」に移行しても良かったのだが、ここまで読み続けてきたので、せっかくだから最後まで読むことにしました。

 盗賊「鉛筆ウィリー」(変な名前だ)は殺しをせず、狙った家からお宝を盗んでいく。

 保険会社に自分を売り込んだジミーは、盗賊を捕らえてみせる、と探偵気取りで豪語する。

 タイトル通りケチな老人が高価な食器を盗まれたので、保険会社に請求するのだが、この時点で「ははぁん、これは偽の供述だな」と見当はつくのだが、タイトルに絡めた伏線をきっちり回収し、確固たる証拠を突きつける。

 松本恵子の創作部分はなかったのだろうか? エピローグの手紙も気が利いている。

 

 1923年5月「秘密探偵雑誌」(原作 レイ・カミングス)

松本恵子探偵小説選 (論創ミステリ叢書)

松本恵子探偵小説選 (論創ミステリ叢書)