呉エイジ 秘密の探偵小説読書日記

日記と探偵小説の読書録

津山旅行2

この記事を書いている時、先日キンドルで出した『キンドル本を出版して人生を少しだけ変えてみる本』のことなのだが

 

 

 瞬間風速とはいえ、アマゾン書籍全体ランキングで1000番台を記録しました。パチパチパチ。

 

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 もうね、この本を読んで、皆さんもぜひ本を出してください。この本は私から貴方へのラブコールです。買ってくださった方、ありがとうございました。

 先日、車上荒らしにあい、財布を盗まれて気分が落ち込んでいたのですが、この新刊にも書いてある通り、現実世界での嫌な出来事を、もう一つの世界の良い知らせが救ってくれて、精神のバランスが取れております。皆様には感謝しかございません。

 姫路からiPhoneのグーグルマップを使って、津山の万歩書店をセットする。

 高速道路を降り、横に川を眺めながら軽快に走る。きっと津山城はこの川を天然の堀として利用したのだろうな、と思っただけで口にしなかった。

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 口にしたところで、何度連れて行ってやっても城を好きにならない金平は

「で?」

 としか返答しないであろうことは容易に予想できた。

 テンションが高まる。古本、レトロゲーム、中古CD、雑貨。我々の世代のパラダイス。総合中古ショップ。その万歩書店も風前の灯である。看板は疲れ果てていた。

 

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呉「来てよかったな。やってるうちに」

金平「そうだな、来年は岡山のように閉店しているかもしれんもんな。やってるうちに来れてよかった」

 

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 姫路にあった中古ショップ『ブックマーケット』『キャンプ』『ブックマート』などは、数年前に全滅した。

 残っているのはブックオフとお宝倉庫だけである。お宝倉庫が残っているだけ、まだ御の字なのかもしれない。

 我々は店内を噛みしめるようにして味わった。平日の昼なので店内はガラガラ。少子化のせいで、このような『物』の流通が激減している。

 そして若い子の娯楽が物からスマホに移行したことも大きい。

 音楽も小説も映画も漫画も、全てスマホで事足りる。

 このような物にあふれた店は時代遅れなのかもしれない。私は心の奥で叫ぶ。こういう店が大好きだ! 古い雑誌『宝石』や探偵雑誌『妖奇』『幻影城』も置いてあった。

 もしここがなくなれば、街でそんな古い雑誌を目にすることもできない。

 ネットで買えばいい? なんて味気ない。若者よ、断捨離なんていいから、自分の目で娯楽品と出会ってほしい。少しでもこういう店を延命させてほしい。

 ここに掲載する写真も、数年後には貴重な一枚になっているかもしれない。消えゆく風物詩。中古ショップへの鎮魂歌。

 

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 古本は大量にあったが、今私が集めている日本推理作家協会賞受賞作全集と、雑誌『幻影城』の欠けは置いていなかった。

 それでもこの雰囲気を味わえて、本当によかった。

呉「こっちは収穫なかった。そっちは?」

金平「声優さんのCDでいいのがあった」

 相棒はご満悦でレジに向かう。

呉「万歩書店って全部で何店舗あるんですか?」

レジの女性「津山に二店と岡山に二店です。岡山は隣接しているので場所は一箇所ですけど」

呉「そうですか。減っちゃいましたね。頑張ってください」

レジ「ありがとうございます。そちらのお客さん、ポイントカードはどうされます?」

金平「いいです。姫路から来てますもんで」

 レジの女性は『まぁ』という顔をしながら驚いていた。

 駐車場に出る。雨は小雨になっていた。晴れ男の私のパワーが雨男金平の魔力を駆逐しているようだ。

呉「なんか、しんみりしてしもうたな」

金平「そうやな」

呉「じゃあ元気出るように、次は津山城へ移動すっか」

金平「ワシは更にしんみりしとるけどな!

 二人を乗せた車は津山城へと移動する。

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〜続きます〜