津山城備中櫓内で買ったお土産を見てニンマリしながら歩く。
ありがとう、津山城。素晴らしい石垣に復元櫓、いつか古写真のような復元を目指して、頑張ってください、津山市。
呉「さぁて、じゃあ移動すっか。もう一軒の万歩書店へ行くか」
金平「待ってました」
津山は良い雰囲気の街だ。城跡も整備され綺麗。春には桜の名所として花見客で賑わうそうだ。
なるほど、お城の横には高層ホテルもあった。
掘がわりの川も城の近くに流れ、街のムードに合って落ち着く。
商店街もシャッター商店街ではなく、活気のある方だろう。
二軒目の万歩書店は、それほど遠くはなかった。
あっという間に到着。
営業はしているが、いつ岡山のように閉店になるやもしれぬ。
こういう中古ショップは街に一つは欲しい。最近の若い子は、こういう店を見てもテンションが上がらないのだろうか?
私など、目は充血、心拍数は上がり、ヨダレも落ちそうになって、カウパーもヤバイ。
20年前なら姫路でも至る所にあり、競争であった。それがネット通販、個人オークションが携帯端末で簡単に利用できる時代が来て、中古ショップも激減。
かつて会社帰りに古本や中古ゲームを買い漁っていた店の跡地が、デイサービスになっていたりすると、たまらない寂しさに包まれる。
いつまでも続いて欲しい。だが、5年後は無くなっているかもしれない。
この写真も、今後貴重な一枚になるかもしれぬ。
店内を物色、本もゲームも充実している。レトロゲームの棚に移動し、私は奇声を発してしまった。
金平「ど、どないしたんや」
呉「こ、こ、こ、これ」
セガサターンのプラドルシリーズを、ネット通販を使わず、店内で買う、という縛りを己に課し15年。
何度も諦めかけた。それでも広島で一枚、大阪で一枚、奈良で一枚、名古屋で一枚、と旅先で出会うたびに歓喜に包まれた。全て相棒金平と共に旅をし集めてきたものだ。
リーチになったまま三年。バタバタと閉店していく中古ショップ情勢を眺めながら、棚から引き抜いてのコンプリートは無理かな、と近年は絶望に近い思いであった。
それが、今日、ここに来て出会えるとは。最後の一枚よ、津山にあったのか。
買い物の神が少しだけ微笑んでくれた。ここで一言。店舗でのプラドルコンプリートは、難易度高し、激ムズですよ。
これだけで津山に来た価値はあった。私に買われるために、ここで何年も待っていてくれたんだね。
私は少しセンチな気持ちに包まれながら、レジで支払いを済ませるのであった。
〜続く〜