呉エイジ 秘密の探偵小説読書日記

日記と探偵小説の読書録

平林初之輔「祭の夜」を読む。

 会社の可愛い事務員さんが、黒のストッキングから黒のハイソックスへと切り替わった。

 気が付けば年も明けてはや四月。春の訪れを感じる。

 嫁さんと同じくらいの年齢であるのに、どうしてあそこまで無駄肉が無いのか。カモシカの足のように美しいふくらはぎのライン。

 「盗撮」は犯罪であろう。しかし私の「脳内ディーガ」への録画は、何の罪にも問われぬはずだ。

 オフィスで気付かれぬように、背後から彼女のハイソックスとスカートの間の「絶対領域」を凝視する。それが日々激務のストレスを癒してくれている。

 女性は直感で「男性の視線をしっかり把握している」という話を聞いたことがある。私の横目からの盗み見も向こうにバレているのであろうか? 私の「鹿並み」の視野角を。

 まぁこれくらいのプチ浮つき心ならば、嫁さんへの裏切りや浮気心にはならないであろう。

 さて、六本目「祭の夜」を読んでみた。

 ここにきてガラリと雰囲気が変わって面食らった。軽い読み物然とした一本。「新青年」「探偵趣味」と違い、掲載された「サンデー毎日」という紙面を意識してのことなのであろうか?

 大枠としては鼠小僧的な正義の泥棒譚である。

 この話はあらすじを書くと、そのまま本編のネタバレになる繋がるので、気のついたところだけ書き留めて置きたい。

 強欲な金貸しが縛られてひどい目にあう、というのは世間がそれを読んで爽快な気分になることを汲んでのことか。

 合わせて暴利を貪ってきて蓄財した金が、正義のために使われる、という筋も。

 遠目から見た変装トリックに工夫が見える。