コツコツと自分の単行本作業を続けておりまする。
やりだすと早いのです。
一ヶ月以内に発表できるかも。呉工房ボリューム4のKindle本。
色々と凝ったものになりそうです。
既刊を並べておきましょう。それではまた作業に戻ります!
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さて、今回は「空中殺人団」を読み終えた。
小酒井不木探偵小説選のボーナストラック的扱いで、前回の「不思議の煙」が本作をパクっているのではないか? という指摘の元となった作品である。
これを収録してくれるところに、論創社さんの誠実さを感じる。
さて、読んで驚いた。構造が丸々一緒ではないか。これならば少年読者も「パクったんじゃない?」と思っても仕方がない。
小酒井不木本人は「読んではいなかった」と弁明し、潔く作品を中絶させたから、それは本当なのだろう。
だが、ここまでタネが似るものであろうか?
読んではいなかったのだろう。しかし何かの会合の席で、この作品の話題が出たのではないか? 一本だけ煙突の煙が逆方向になびいていて、飛行機事故が連発するんだ。そのトリックはゴニョゴニョで……。
それが頭の中にあり、いつしか忘れ去る寸前に自分が思いついたような錯覚に陥り使用したとしか思えない。
それくらい骨格は同じだ。
しかしタネは同じでも筋は違ったはず。不木の筆での完結作を読みたかった気持ちは変わらない。
さて、これで長らく楽しんできた「小酒井不木探偵小説選」も読み終えた。この本は予想外に楽しめた。自分用のアイデアが一つ思いついたのも収穫であった。
大人でもオススメできる。戦前の探偵小説好きならば、ムード含めきっと気に入ってもらえる一冊だろう。
これを機に江戸川乱歩の「怪人二十面相」もこの前読み終えた。ちょっと少年探偵小説のマイブームが訪れている。
で、次巻は「久山秀子」である。「地下鉄サム」系のスリの話、というイメージしかない。探偵小説の範疇に入るのかどうかも未知数の作家である。
このシリーズの全巻読破がこの日記の目的の一つでもあるので、読み進めていきましょう。
1925年9月「中学世界」鶴毛寧夫 訳