呉エイジ 秘密の探偵小説読書日記

日記と探偵小説の読書録

夏バテ

 夏バテで相当消耗しているので、手短に日記だけでも。

 会社からジムによらず、まっすぐに帰れば読書の時間も取れるのだけれども…。筋トレ&プロテインで胸板は厚くなったが、ウエストは変化なし。このままでは寸胴のレスラー体型になってしまう。

 くびれを作るためにランニングマシンも毎回組み込むことにした。やはり腹を凹ませるには有酸素運動も加えねばダメか。「デブは走れ」ということだ。

 あれから長らく会ってはいないが、まゆゆ似の彼女にアピールするため(もしかしたらジムを辞めてしまったかもしれない)くびれを作るのだ。

 あと、欲しいものリスト、迷っているからきっと買うだろうが(笑)本はこの二冊。

 

奇談クラブ

奇談クラブ

 
沙漠の古都 (レトロ図書館)

沙漠の古都 (レトロ図書館)

 

 河出の「レトロ図書館」シリーズである。私は三巻の甲賀三郎だけ購入。

 しかしだ、これは見逃せばきっと、後年死ぬほど後悔するパターンのやつだ。

 買ったところで読むのは論創ミステリ叢書シリーズを読んだ後になる。しかしその頃には新刊書店では手に入らなくなっている。

 シリーズとはいえ、本の装丁やサイズもバラバラ。後に古書で集める時に鬼門になりそうなので、本屋にあるうちに買う。

 

  あとハマショー。これは相棒の金平と行ったライブ。ブルーレイが出ており音源のCDも初回特典として付いてくる。

 しかしお値段が一万円少々。おいそれ、とは買えない額。

 キーボードを打ちながら睡魔が。そろそろ寝ますです。

 

ビヤガーデン

「今日な、ママ友5人とビヤガーデン行くから、会社帰り、アンタ私を駅裏まで迎えにきて。かるーく呑むだけやから」

 タイムカードを打ち、ジムに小一時間、呼び出されたら困るから早めに切り上げて、ツタヤへ移動。小倉優香ちゃんの写真集があれば買ってしまえ、と思ったのだが売り切れであった。

 ここでも小一時間立ち読みして、次はブックオフへ移動、計三時間。

 電話の鳴る素振りすらない!

 かるーく呑むだけ、ではなかったのか?

 私の貴重な時間は車の中で軟禁状態と化し、呆気なく消え失せてしまった。

 読書も出来ない。

 そして先ほど、やっと電話が掛かってきて、姫路駅のロータリーへ。

「ぶははー。お待たせお待たせ」

 酔っ払って上機嫌である。

「待ったか?」

「(三時間も待ったわ!)」

 読書日記もこの送迎で丸つぶれである。

「そうそう、あんたにエエ話があるで」

「なんやねん」

「ママ友計6人でパパさん選挙したんや」

「なんやそれ」

「誰のパパさんとデートしたいか、っていう投票や」

「ほうほう」

「で、あんたがトップやったで」

「でもきっとな、これはアンタが一票も入らへんやろうから、他の奥さん温情で一票入れたんとちゃうかな」

実力じゃ! ここから歩いて帰るか?

「だはは、冗談冗談」

 間も無く日付も変わろうというのに、うちの嫁さんはこんな調子で騒がしく帰って来るのです。

 

小酒井不木「髭の謎」を読む

 嫁さんから「猛暑の中毎日元気に出勤してお疲れさん」と臨時小遣いが一万円も出た!

 あのケチな嫁さんから。それだけの異常気象だということだ。部屋の中にいても暑い。

 その臨時収入でこれを買ったら、天罰が下るであろうか…。因みにこの写真集、速攻で増刷だそうである。やはり私が見込んだ女に狂いはない。

 

小倉優香ファースト写真集 ぐらでーしょん

小倉優香ファースト写真集 ぐらでーしょん

 

 

  こういう本は臨時収入で買うべきですよね。しかし元手は嫁さんからの珍しい臨時小遣いである。さすがに神も怒るか。道を歩いていたら落雷の直撃を受けて死ぬパターンか。そして部屋からこの写真集が出てきて、嫁さんが私の遺体に向かって「ケッ」と毒付く流れか。

 どうしたら良いのですか、迷える子羊に光明を! ジーザス。

 さて、今回は「髭の謎」を読み終えた。

 今回は塚原俊夫くんの事務所に若いお姉さんが殺人事件の依頼をしに来る、という殺人事件を解決する本格物である。

 警察を差し置いて、塚原俊夫くんに依頼しに来る、警察官も塚原俊夫くんに協力的、そういうのどかな世界観が心地よい。小説なのだ、目くじらを立てることもないではないか。

 そして私は読了後、心底感心した。塚原俊夫くんの推理の道筋が、理路整然としていたからである。

 死亡日数の偽造を暴いた根拠、というのが、虫眼鏡で観察した、死体安置所の髭の長さ。髭は一日に0.5ミリメートル伸びる。三日前に髭を剃ったのなら1.5ミリでなければならない。

 という推論だ。発表年を見て欲しい。大正時代の作である。

 DNA鑑定はおろか、指紋技術もまだ未熟な時代であったことだろう。

 刑事も当時の捜査では独断で怪しいと思った人物を拘束し、冤罪のまま絞首台に登った人も多くいたことだろう。

 仮に鑑識から死体の髭の長さの報告を刑事にフィードバックしていたとしても、刑事が予断で捜査していれば、そのようなデータは全く無意味なのだ。

 そこで観察と推理が直結した塚原俊夫探偵の個性が活きる。

 この物語を読んで憧れ、後に警察に入った子供達が、昔ながらの捜査に疑問を持ち、色々なことを気付かせる、この作品はそんな素晴らしいシリーズだったのではないだろうか。

 

 1925年(大正14年)6月「子供の科学

小酒井不木探偵小説選 (論創ミステリ叢書)

小酒井不木探偵小説選 (論創ミステリ叢書)

 

小酒井不木「暗夜の格闘」を読む

♫母上さまぁ〜、お元気でぇーすぅーかぁー♫

 アニメ作品「一休さん」のエンディングテーマである。

 子供の頃、よく観たものだった。一休さんはお母さんと離れ、そしてこれまた一休のお母さんが綺麗で極上の女なのだが(不謹慎発言)、エンディングテーマでは離れて暮らす母上さまに、手紙形式での愛慕の詞になっている。

 涙ぐましいし、健気である。

 子供の頃「なぜ母上さまは、こんな賢い一休さんを寺に出したのだろう」

 と疑問に思った。小坊主一休、甘えたい盛りであったことだろう。

 立派な高僧にするため、という願いもあってのことだろうが、間違って育ってしまった私の脳は別の判断を下す。

 それは『愛欲の邪魔になるから』という側面もあったのではないだろうか。

 ごめんなさい新右衛門さん。暑さで脳が溶けそうだからです猛省します。

 一休み、一休み。

 さて、今回は「暗夜の格闘」を読み終えた。

 少年ものだがこのシリーズ、個人的にツボっている。面白い。おかげで自分で書きたい少年探偵ものの形が頭の中でガッチリ出来上がってしまった。

 頭の中だけで終わらせるには惜しい素材である。突然死する前に、書き上げて披露したく思います。

 前回、叔父と賭けて「紅色ダイヤ」を勝ち取った塚原俊夫くん。叔父も12の子供によくダイヤなんぞくれてやったもんだ、と思いながら、それでも当時の子供の読者からすれば「すごいなあ」という共感を生むための演出なのだろう。

 この話は窃盗団との対決が描かれている。白金を盗まれた町工場の奥さんが塚原俊夫くんの事務所のドアを叩く。

「警察よりも塚原くんに依頼した方が早く解決するから」

 とのこと! すごいヒーローっぷりだ。 そして小学生に雇われている用心棒、大野さんへのタメ口も健在。ここも個人的にツボ。

 ストーリーは白金をどのようにして隠し、運搬したか、というのがメインの謎としてあり、そこは科学者、小酒井不木、子供にもわかりやすいように、白金の特性を説明して「個体の消失」を演出している。

 読みながら科学のお勉強もできるのだ!

 

1925年(大正14年)3月「子供の科学

小酒井不木探偵小説選 (論創ミステリ叢書)

小酒井不木探偵小説選 (論創ミステリ叢書)

 

小酒井不木「紅色ダイヤ」を読む

 さて、残業で帰宅が遅くなったので、日付が変わらぬうちに昨夜読んだ「紅色ダイヤ」の感想などを。

 12歳の少年、塚原俊夫くんの探偵譚である。もう、この世界観が聡明で明朗で活発で利発すぎて。

 これを読む少年少女たちよ、日本の未来のために理知的で科学的な思考を持ちなさい、という小酒井不木のメッセージが透けて見えて、ダメ人間の私などは眩しすぎて困るのだ。

 大正13年の作である。

 主人公の塚原くんは勉強熱心で、勉強だけでなく俳句も大人を唸らせる句を読み、成績も優秀。

 あまりに利発なので、お父さんが実験室兼事務所を作ってやり、大人が依頼にやってくる、という子供の目から見ればスターのような設定。

 用心棒として「大野さん」という人を雇い、結構タメ口で(笑)大人に向かって意見したりする。

 叔父さんと知恵比べをして高価な「紅色ダイヤ」を賭ける。暗号解読が主なストーリーだが、少年読者にとっては、指紋を採取したり、その指紋を写真撮影してファイリングしたりするシーンに、血わき肉が踊ったのではないだろうか。

 こういう眩しい作品を読むと、私の中で劣等生根性がムクムクと鎌首をもたげ「明朗・活発・不謹慎」みたいな少年探偵物の骨格が頭の中でガッチリ組み上がってしまった。

 仕事中ストーリーをまとめながら一人爆笑していた1日だった。

 これは書かねばなるまい。またキンドルで出す折には皆さまどうぞ温かいご支援を。

 

 1924年(大正13年)12月「子供の科学

小酒井不木探偵小説選 (論創ミステリ叢書)

小酒井不木探偵小説選 (論創ミステリ叢書)

 

変身ベルト

 ドルルルルルルル

 仕事を終え、自室に篭り、変身ベルトを身につける。腹にまく振動ベルトだ。

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ドリルルルルルル

ドリルルルルルル

ドリルルルルルル

やかましい!(怒髪天

 真下のリビングで嫁さんが吠えた。

「な、なんや、一体」

「聞きたいのはこっちの方や。私がテレビ見てるのに、なんの振動や」

「ダイエットベルトしてフローリングに座ってるんや」

「振動が気になってテレビが見れへん」

「そんな大げさな」

それは私が留守の時にせい

 ダイエットベルト禁止令が出ました。生類憐みの令に次いで強引なお触れであります。

 私は争いを好まぬ理知的な人種なので、ベルトのスイッチをオフにしました。

 ダイエットしながら読書をしようと思っていたのですが(一挙両得)、読書オンリーになりました。本日の購入本はこちら。待望の新訳版です。

 

  短編集で読みやすそうであります。

 久しぶりに「note」を更新した。

 原作リズリー:ウッド。平林初之輔が翻案した作品である。

 それを読んで「俺ならこうする」と思い、リライトしてみた。いわばジェネリック作品である。

 平林初之輔の筆は上品で、サラリと書かれていることに物足りなさを感じたが、それでも上質の面白さがあった。

 以前試みた小酒井不木の「屍体蝋燭」を「ば・れえん・たいん」にリライトしたことと同様のことをしたのだ。

 読み比べれば私の読書傾向や好きなポイントが丸裸になって分かると思います。

 

 よろしければご覧下さい

 

松本恵子「懐中物御用心」を読む

 昨日、次男ちゃんが入院した、と嫁さんから連絡があった。

 仕事中にメールを見たので、気になりながら帰宅すると、仕事中に熱中症を起こして倒れたらしい。

 そのまま入院を勧められた。

 点滴を二本も打ち、それでも血液検査の結果は芳しくなかった。

 この春から就職し、肉体労働に就いた次男ちゃん。

 きっとがむしゃらに働いて、水分補給のタイミングを誤ったのだろう。

 手も足もシワシワになり、声もかすれてほとんど会話はできなかった。

 二日の入院を勧められた。

 熱中症は命に関わる。上司も付き添い、謝罪を受けた。

 給水設備の充実と、猛暑日の監督もお願いしておいた。

 病院に着替えを運び、一息ついたのは午前様。

 若いから回復も早いだろうが、暑さからは逃げられないので、次男ちゃんには「コツ」を教わってもらいたい。年配の人もいるのだ。力の抜き加減、水分のタイミングなど、きっとあるはずだ。

 まだまだ暑い日が続きます。皆さんもどうぞ御自愛ください。

 さて、今回は「懐中物御用心」を読み終えた。

 出典のはっきりしない翻案物らしいが、松本恵子自体の創作部分の比重は、決して少なくはない、と思える出来だ。

 田舎から出て来た男は東京の街並みに目を奪われる。しかし浮き足立たぬよう男は常に神経をとがらせていた。

 時間を聞いて来た老紳士に対して「自分の金時計を盗もうと狙っているのでは無いか?」と勘ぐったり、と。

 田舎者の誇張された愚鈍さと実直さ、途中出会った酔漢にもたれかかられた時に「財布をスられた」と思い込んでから絡まる犯罪譚。

 隠し場所トリックがメインの種としてあるが、翻案部分はここだけだろう。

 あとは伸び伸びと、愛すべき田舎者と、いずれ結婚する田舎に残して来た未来の花嫁との旅行のための下見と、スられたと思い込んでいた勘違いも解決もユーモアたっぷりに書き込み、大団円で幕を閉じる。

 総評になるが松本恵子は収穫だった。モダンな大正時代の女性の躍進の息吹が感じられ、文章もユーモアも古臭く無く、きっと才女であったことだろう。

 話のタネだけに終始する探偵作家もいるが、松本恵子はキャラ設定や装飾の部分まで目が届き、短編のあり方についても独自の美学を持っていた。

 タネが弱くても文章や物語で読ませるのである。

 

1926年10月「探偵文芸」 

松本恵子探偵小説選 (論創ミステリ叢書)

松本恵子探偵小説選 (論創ミステリ叢書)

 

オホホホホ

 男と女では絶対に男の方が優しいと思うのだ。

 この前でもどうだ。

アンターッ!(怪鳥音

「な、なんや、大声出して」

「アンタなぁ、マナー守りぃや。トイレに入るのはええがな。トイレットペーパー、残り数センチで止めて。ここまでギリギリまで使ってるんなら、もう新しいのに替えたらええやん」

「何を言うてるんや」

「最後にトイレに入ったんアンタやろ?」

「違うがな、長女ちゃんやがな、ワシはその横の洗面所で寝る前の保湿クリームを塗ってたんや」

オホホホホ

「決めつけるなんてチョットひどいぞ」

オホホホホ、仕事お疲れ様、今日も暑かったな」

「何話題を変えてるねん」

オホホホホ、熱中症にお互い気をつけよな」

 こんな具合に有無を言わせぬ爆笑で、自分の失態を誤魔化し通すのだ。

 政治家も真っ青である。

 これが逆ならきっとこうなるだろう。

「お前なぁ、トイレットペーパー、ギリギリなら替えとけよ」

「私ちゃうがな、証拠もなしに決めつけてからに」

「あはははは、家事お疲れ様」

「何笑うてるねん。まず謝らんかい」

「あはははは、今日も綺麗やな」

喧嘩売っとるんかい!

 と、このようにしつこく追及して、私の勘違いを意地でも謝らせるまで終わらないのだ。

 最後にもう一度言おう。

 逆は無いのだ(号泣)

 PS. 寝る前に明日の感想用の本を読みます。

アウトレット

  本日、嫁さんが「ボーナス出たしアウトレットモール行きたい」と言いまして、朝5時に起こされまして、涼しいうちに愛犬の散歩を済ませ、朝食をとり、姫路から三田まで高速道路をぶっ飛ばして、オープン前に駐車場へと滑り込みました。

 既に駐車場は埋まりつつあり

「私の言うた通りやろ」

 と嫁さんはドヤ顔で言うておりました。

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 オープンと同時に嫁さんは決めていたブランドショップへと駆け込みます。

 気温は相当高かったです。瀕死のチワワのように、私は舌をダラリと垂らして必死に追いかけました。

 汗が吹き出ます。私は死なないように携帯したペットボトルで頻繁に水分補給をしました。

「次の店行くで」

「ち、ちょっとタイム、便所行ってくるわ」

「何ぃ? またかいな。しょっちゅう飲んでるからや、さっき何を出してきたんや?

 小便をするだけで私は怒られているのです。暑さで何故怒られねばならぬのか、思考回路も停止したままでした。ですが、その方が幸せかもしれません。

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 気温はどんどん上がります。嫁さんの買い物袋は増える一方です。ここでは私の好きな古本屋も、レトロゲームショップも、中古CD屋もありません。小洒落た服屋ばかりです。

 私は両手に大きな買い物袋をぶら下げて、筋トレ状態で歩いておりました。

「あんたもスポーツウェアくらい買いな」

 嫁さんに言われ、ヘロヘロになりながらもジムへ着て行き「まゆゆ」似の彼女の気を引く用の派手めのウェアを買いました。

 二人とも元気に働けて、二人合わせたボーナスがン桁だったので、嫁さんの買い方もダイナミックです。そのくせ私にはボーナスからの小遣いはたった二万円しかないのです。あれだけ稼いでおいて。

「アンタの老後のために置いとかなアカンからな。施設には金かかるんやで」

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 ようやく昼食です。トンテキ定食を食べました。ンマーイ!

 そしてデザートに無理を言ってかき氷を所望しました。

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 そして今、やっと解放されブログのための読書でもしようか、と思っていたら

「今日は充実したな、晩酌付き合いや」

 と言われ、ヘロヘロな状態でこの文章を打ち込んでいるのであります。

 酔っ払っておりますゆえ、本日は日記のみの更新であります(敬礼)